わたし
【2002/冬】
先月よりも今月、先週よりも今週、そして昨日よりも今日が加速度をつけて閉塞していくなかで、たぶん明日起きるころにはもっとちっぽけな未来しか見通すことができなくなっているんだろうって考えると独り落ち込んだ。カビが生えちゃいそうなこんな毎日にやがて心地よく馴染んでゆくわたしを予感するとき、そんな夜はとても怖くなっていつまでもガタガタと震えが止まらなかった。得体の知れない大きな不安に包まれ、けれどそんな時にさえ枯れ切ることのないわたしの潤いがやがてわたしの入り江をたっぷりと満たす夜、ベットの上で独り濡れた指を滑らせ絡ませては出し入れするわたしが部屋の鏡に映っていて、鏡の中のわたしは本当のわたしじゃないみたいに綺麗で、なぜかその時嬉しくて切なくて、わたしは涙を流して泣きながらいった。
【2003/春】
わたしの生活は変わった。今はフィットネスクラブでヒップホップを踊るのが楽しくて仕方ない。体のラインに切れが戻り、私は確実にきれいになった。仕事もプライベートもバランス良くわたしの中でマネージメントされている。熱く焦がれる恋を経て、彼に抱かれて何回もいかされては、最後に彼をいろんなかたちでいかせてあげるそんなセックスも覚えた。
【2003/秋】
わたしには大きな未来がある。これといった具体的なものじゃないんだけど、今のわたしには大きな未来のイメージが描けるの。そうね、そう遠くない未来、わたしはこの東京を脱出しようと思っているわ。空気も太陽も、すべてが異なる世界のどこかで存在する、もう一人の新しい自分に出会うつもりでいます。
— I wrote listening to “Keiko Lee: Distance”.
hanalei malte 著「life, love, and the internet」