アンテナ

アンテナ

アパート暮らしを続けてかれこれ10年になる。生まれてからの18年間を実家の一戸建て平屋で暮らした後の10年です。このようにアパート暮らしを続けていると、「そろそろ、もういいや。」って気持ちになってくる。もういいやって思ったって、アパート暮らしをそれでおしまいにできるわけではない。僕には僕なりのささやかな事情があって、このしがない部屋で今年も秋を向かえようとしている。

この10年間に7回の引越しをした。生活圏も関西から関東に移った。別になにか恥ずかしいことをやらかしてその街に居られなくなったわけではなく、「いつか東京進出したるんや」と意気込んでいたわけでもなく、単に学校の関係とか就職の関係とかで、自然の流れのままにこうなったのです。

街にはアパートで暮らしている人がたくさんいて、そのうちのいくらかの人々は今夜もひとり部屋にいて何かしらしている。こういう人々の集まりを「今夜もひとりアパート暮らし党な人々」と称するとこれはもうかなりの数になると思う。そして、僕のようにそろそろ党を離れたいなって思いながらもなかなかそうできない人もたくさんいるのだろうと思う。それぞれに、その人の生き方に関わる問題だ。

「今夜はひとりアパート暮らし党な人々」は今夜も揺れている。僕たちの屋上にもアンテナは立っている。でも、僕たちにこの暖かい明かりはなかなか灯せない。

hanalei malte 著「life, love, and the internet」

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