ディア、ヒデシマ フミカ
これを読んでいる君がいつの時代にいるのかはわかりません。ただ、僕のなかには路地裏のこじんまりとした西洋骨董品店でじっと時間をやり過ごしてきた柱時計のように、いつの日にか回想されゆく記憶があります。
1999年から2000年3月にかけて、J-WAVE(81.3MHz)は「J’s Impact」というプログラムをオンエアしました。ヒデシマ フミカというDJがいて、僕は一人のリスナーとして、彼女の素直で綺麗な直向さ(ひたむきさ)に魅力を感じていたことをよく覚えています。彼女がDJで人の心をつかむように、僕だって文章によって人の心をつかむことができればどんなにいいだろうかなんて思ったものです。
しばしば過去に戻りたくなるときがある。一人部屋にたたずむ夜、どこからともなく、始めはは細く淡く、しだいに広がり重みを増してその抑えようのない感情の塊がやがて僕のすべてを覆い尽くし支配する。
今夜もFMラジオのスイッチを入れます。いつものようにそこにはDJの声があってお気に入りのナンバーがあって、そうして時間は過ぎて行くんだ。
いつの日も、どこにいても、二人笑いあったときも、一人涙したときも、それは僕たちのあらゆる感情の起伏に上手く寄り添っていてくれたような気がする。ついてない時も、大切なものを失ったその夜も、最後の最後まで、FMラジオだけは僕たちの側にいてくれた。
ディア、ヒデシマ フミカ、ありがとう。
◆
注:彼女はその後、ピストン西沢氏と二人で「GROOVE LINE」という同じくJ-WAVEのプログラムを担当しています(2000年6月現在)。ビストン西沢氏のキャラクターと混ざり合い、もう初々しい頃のヒデシマフミカはどこかへ行きました。今は成長しつつあるヒデシマフミカなのだと、いちリスナーとしては考えている今日この頃。
hanalei malte 著「life, love, and the internet」