思考の湖

思考の湖

かつて、好きなままに別れることになってしまった人があなたにはいますか。親でもいい、兄弟でもいい、友人でもいい、恋人でもいい。時より、なんの脈略もなく、そういうひとのことをポツンと思い出す夜はありませんか。

なにがどうなってそうなったのかなんて、それはそうなるしかなかったんだと今となっては考えることしかできないのだけれど、そして人は前を向いて歩くものだと信じることしかできないのだけれど、ポツンと思い出すこの夜の一時(ひととき)、その人は僕の思考の湖を静かに泳いでいます。

ときおり、湖のほとりにたたずみ深く思考を巡らせながら、そこはかなく重く霧のたぎりゆく湖面に見え隠れする何かを捉えようとします。シュールな夜は深けて、やがて太陽が霧を晴らし、けれど湖面をキラキラと輝く朝の陽の中に君はいません。

hanalei malte 著「life, love, and the internet」

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