日曜日、朝のカフェで書いた手紙

日曜日、朝のカフェで書いた手紙

若い頃、そうねぇ、大学生の頃は毎日が渋谷だったの。終電まであと何本って時間になると親友と二人、駅前でその夜の男を見つけたわ。私たちってそんなに野暮ったくはなかったし、何たって現役の女子大生だったからたいていの男はすぐにオーケーしたのよ。ラブホで隣同士の部屋に入り、朝になると二人して駅に向かったの。

「ねぇねぇ、玲子やったの?」
「わたしはやんなかった。佳織は?」
「やったよ。」
「どうだった?」

朝の太陽が眩しい道玄坂でそんな会話をしていたのよ。午後のキャンパスで講義がまどろっこしく過ぎて、知らないうちにサークル活動やら飲み会やらでスケジュール帳が埋まっている。それが私たちの日常だったのよ。いい時代だったのかなぁ。私たちの周りを漂い、やがてどこかに消えゆく時代の流れのなかで無意識だったかもしれないけれど、私たちが私たちの選択のもとに積み上げた私たちの時間。

今、30歳を少し過ぎて、こうして日曜日朝のカフェでぼんやりと街路樹をながめていて、なぜかあの頃を共に過ごしたあなたのことを思い出しました。もしも今、あなたがこのテーブルにいてくれたらこんなふうに、私の今までのこと、これからのこと、いろいろなことを聞いて欲しかった。私には今これだけのものがあって、あと何が必要で、そのためには何をすべきで、その先にどういう未来が広がっていて、そして結局、私はどこに向かっているのかって。

この辺りでこの手紙を終わろうと思います。

玲子

hanalei malte 著「life, love, and the internet」

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