給水塔
もしもあなたがマンションに住んでいるのなら、あなた頭の上にも給水塔はあるのかもしれません。
あなたが紅茶のお湯を沸かす時、シャワーを浴びる時、そしてトイレのレバーを上げる時でさえ、なにひとつ文句も言わずに給水塔はただ、水を送ります。朝、顔を洗う途中で蛇口に石鹸がつくのを嫌がらずにこまめに蛇口をしめている人にも、テレビを見ながらお風呂のお湯を溢れ(あふれ)させている人にも、給水塔は無表情に同じ水圧で水を供給し続けています。地下の水道管からせっせと屋上まで水をくみ上げて、いつものあなたの生活を支えています。24時間365日、誰も言わなかったけれどコンビニができるずっとずっと前から彼はがんばってるんだぞ。何も言わない給水塔だけれど、少しはその気持ちがわかる気がする。
ときどき僕は、この給水塔のように生きてみたいと思うことがある。自分のやるべきことを寡黙(かもく)にこなし、他人をとやかく言わず、自然体で真摯にそしてクールに毎日を送れればどうだろうかと。それは、目立たない生き方かもしれないけれど、いつか、もしかすると、素敵な誰かがあなたの存在感の大きさにハタと気づいて圧倒される。そんなこともあるかもしれない。
hanalei malte 著「life, love, and the internet」