ポートフォリオ:VGLTの役割

ポートフォリオ:VGLTの役割

私のポートフォリオに入っている投資商品はたった2つ、オルカンとVGLT。オルカンは「オルカン」で顔パスなほどに超メジャーな投資信託。言わずもがな、ですので本日はもう一つの投資商品「VGLT」についてお話したいと思います。

ポートフォリオの中のVGLT

VGLTはその名を「バンガード・米国長期国債ETF(Vanguard Long-Term Treasury Index Fund ETF」と言い、米国債券ETFのひとつです。楽天証券のファンド概要から引用させて頂くと、

バンガード・米国長期政府債券ETF(VANGUARD LONG-TERM GOVERNMENT BOND ETF)は、ブルームバーグ・バークレイズ米国政府債浮動調整(10年超)インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す。米国長期国債市場への分散したエクスポージャーを提供する。当インデックスは、残存期間が10年超の米国債および政府機関債を含む。

とあり、ポートフォリオの中では守りのポジションを担います。

VGLTに求められる役割

「攻めのオルカンと守りのVGLTを両翼に、金融資産の中の投資資産比率を高めながら長く株式市場に居残りたい」と考えています。一見、その両翼は「攻めと言うには物足りないオルカンと守りと言うには危なっかしいVGLT」のように思えるかもしれません。素人なりに私の見方としては、「堅実なオルカンの攻めと柔軟なVGLTの守り」に期待しています。

ポートフォリオの中でVGLTに求められる役割は、「株価(オルカン)と逆相関する値動き」と「リスク資産でありながら限りなく安全資産に近い信用力の高さ、ボラティリティの低さ」です。

  • 「株価(オルカン)と逆相関する値動き」については、バックテストではありますが実証されています。
  • 「信用力の高さ」については米国債券のため問題ないと考えます。
  • 「ボラティリティの低さ」については、為替の影響を受けたり、未来を折り込んで値動きするため、生債権のように低いとは言えません。

以上から、VGLTをポートフォリオの中で守りのポジションとして採用する懸念点はボラティリティの高さ(日本円で生活している身としては「為替の影響」も有り)になります。次項ではこの点についてバックテストで確認します。

過去の値動きを観察

ポートフォリオの中で守りのポジションをVGLTに任せて良いか?の判断をするため、過去の値動きや他の指標との相関を確認してみました。本当はボラティリティに関する金融の数式などを使って数値化できるとカッコいいのですが、すみません、小学生レベルの折れ線グラフで進めさせて下さい。

2009年11月~2023年12月のVGLT値動きをドル建てと円建てで見てみましょう。両者の値動きはおおよそ連動していますが、この約14年間を経て、ドル建ての株価は途中1.7倍程度まで上昇しましたがその後下降して2023年末には14年前とほぼ同一価格となっています。それに対して、円建ての価格は途中200%を超えてその後も1.6倍程度を維持しています。

上のグラフでは、14年を経過してVGLTのドル建てと円建てで価格変動に大きな違いが生じたことがわかりました。これは、一つ下のグラフを見て頂ければわかりますように、この間に円安が進み(1.6倍)その円安がそのままVGLTの円建てとドル建ての変動率差分となります。

下のグラフは2009年11月を起点にして、VGLT(ドル建て)、VGLT(円建て)、ドル円、の変動率を表しています。ここで興味深いことに気づきます。VGLT(ドル建て)とドル円は明らかに逆相関の動きをしています(2010年と2014年辺りを除いて)。これは、VGLT(ドル建て)の株価が下がれば円安になってVGLT(円建て)の株価下落幅を抑えてくれるという有り難い動きをしてくれます。つまり、この逆相関によって為替変動リスクが減少することを期待できます。

一方、上のグラフを見ると、「あれっ?でも14年間で円建てはドル建ての1.6倍になっているよね、本当に逆相関効いてるの?」という疑問も生じます。完全に逆相関するのなら、VGLT(円建て)のグラフ線はずっと100%であるはずでは?これについてはグラフに切り取る期間によって変わってくるので、おおよその傾向として理解しておきたいと思います。

最後に、上のグラフに「FFR(米政策金利)」と「S&P500(SPX)」の動きを追加したグラフを下記に示します。各値の変動具合をイメージするためのグラフになります。

注1:FFRの値は動きがわかりやすいように値を10倍にしてプロットしています。
注2:S&P500の値は、最新値の約半分が100%になるようにプロットしています。

グラフ線が5本に増えるとカオスですね・・・。未来の変化は誰にもわからないし、過去のグラフ線の推移にしたってその理由を説明することは難しいのかもしれません。各値の過去の推移から、再現性が高そうな傾向をまとめてみます。

  1. 「株価(S&P500)」と「VGLT」は、特に暴落時に逆相関
    株価暴落時によりリスクの低い債券へ資金が移動
     
  2. 「VGLT(USD=ドル建て)」と「ドル円(USD/JPY)」は逆相関
    これについては逆相関の理由がよくわかりません。より複合的な要因が関係し合っているのでしょうか。
     
  3. 「米国政策金利(FFR)」上昇後に「株価(S&P500)」と「VGLT」が停滞/下落
    *米国政策金利上昇→物価&景気抑制→株価抑制
    *米国政策金利上昇→既存債券の魅力低下→債券価格下落

これらから、VGLTは上記1.と2.の特徴を持ちつつ、3.の基本的な動きをすると考えて良さそうです。

  • 米政策金利↑=ドル円↑(円安)=VGLT(USD)↓=株価(USD)↓
  • 米政策金利↓=ドル円↓(円高)=VGLT(USD)↑=株価(USD)↑

米政策金利を上げることはインフレ抑制や金融市場の安定に必要だけど、株価や債券価格の下落方向に力が働くという基本的な動き。
 

まとめ:結局、VGLTはどうなの?

過去の値動きなどを考慮した結果、「VGLTをポートフォリオの中で守りのポジションとして採用できるのか?」について私なりの見解です。判断の難しいところではありますが、私はVGLTを採用することにしました。

守りの投資なのにVGLTのボラティリティは決して低くありません。現に2020年頃にVGLT(円建て)を買い込んでいれば、その後25%の下落ですからね。ただ、ポジティブな側面もあり、総合的に見た自分なりの判断です(メジャーな金融商品ではなさそうで心細いですが)。

  • 株価暴落時に株価と逆相関の値動きをする。
  • 為替リスク(円高リスク)と逆相関に動く。
  • 年利2~3%程度の配当金を得られる。
  • 信託報酬が安い。
  • 現在(2024年1月)、米政策金利が今後下降傾向にあり心理的に買い易い。

皆さんもご自分のポートフォリオに合わせて金融商品を検討したり、購入されておられると思います。もしもVGLTを検討/購入された方がおられましたら、一蓮托生、コイツは少々活発な債券なのでお互い今後を見守って行きましょう。

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